ー溶接用メガネを選ぶポイント4選!必要性も徹底解説しますー

仕事やDIYなど、溶接作業の際に欠かせないのが溶接用のメガネ。

溶接時の強い光や刺激から目を守ってくれる役割があります。

とはいえ、溶接用のメガネといっても形状や機能が異なるものがいくつもあるので、どれを選べば良いのか悩んでいませんか?

また、作業によって重要なポイントが変わってくるため、溶接メガネならどれでもいいわけではありません。

そこでこの記事では、溶接用のメガネの必要性や選び方のポイントを紹介します。

ぜひ、ご自身に合った溶接用メガネを見つける参考にしてください。

 

溶接用メガネはなぜ必要?

アーク溶接やガス溶接作業時には、目に有害な光である「紫外線・赤外線・可視光」が発生します。

仮にメガネを着用せずに作業すると、遮るものがなくダイレクトに目に負担がかかってしまい、重大な症状を引き起こしかねません。

その中でも「紫外線・可視光」によって起こる健康被害は以下のとおり。

・皮膚炎

・紫外眼炎

・青光障害

・白内障

・皮膚がん

・皮膚の老化

紫外線による紫外眼炎の主な症状は「目が痛む・涙が止まらない・目がゴロゴロする」で、約一日でおさまることが多いです。

また、可視光による網膜の損傷である青光障害の症状は「視力の低下・視界がぼやける」などがあり、数週間から数か月にわたり症状が続きます。

また、長年の症状に悩まされ続ける人もいるので非常に危険が伴う作業といえます。

なお、青光障害を発症した人のほとんどが溶接用メガネなど保護具を使用せずに裸眼でアーク光を見たことがわかっており、作業中の溶接用メガネの重要性がいかに高いかがわかるでしょう。

さらに、日本溶接協会安全衛生委員会がおこなったアンケート調査によると、アーク溶接作業に就いている作業者の86%が紫外眼炎になった経験があるとのこと。

上記のことから、健康被害を防ぐためにも溶接用メガネは必ず使用しなければいけません。

 

溶接用メガネのタイプ3選

溶接用のメガネの中には以下の3つのタイプがあります。

それぞれの特徴について解説します。

・ゴーグル

・サングラス

・クリップ

 

1.ゴーグル

ゴーグルタイプは、その名のとおり頭に装着して目全体を囲う形状の溶接用メガネ。

溶接は主に下を向いての作業なのでずり落ちる心配がなく作業に集中できるでしょう。

さらに、目の周りを360度囲っているため、有害な光が入り込まず安全性が高いです。

フレームで覆われているので視界がやや狭くなるデメリットはありますが、目の保護・作業のおこないやすさではゴーグルタイプが優れています。

2.サングラス

溶接用メガネのサングラスタイプは、一般的なサングラスと同じ形状なのでなじみ深い人も多いでしょう。

サングラスタイプは手軽に使用でき、取り外しの手間がかからない点がメリットです。

一方で、作業中に落ちてこないよう自分の顔に合ったものを選ぶ必要があるほか、きちんと目を保護するためにレンズが大きいタイプを選ぶといいでしょう。

なお、手持ちの一般的なサングラスでは機能が劣るので溶接作業には使用しないでください。

3.クリップ

帽子やヘルメットに装着して使用する、クリップタイプの溶接用メガネもあります。

これまでに紹介した「ゴーグル・サングラス」タイプとは異なり、直接肌に触れずに使用可能なのが特徴です。

普段メガネを着用している人はその上から装着できるうえ、レンズの曇りが気にならない便利なアイテム。

一方で、重みで作業中にずれたり帽子が曲がったりする恐れがあり、目からレンズが外れてしまうと大変危険なので使用する際はより注意が必要です。

 

溶接用メガネを選ぶ4つのポイント

ここからは、溶接用メガネを選ぶ以下4つのポイントを紹介します。

・遮光度

・自動遮光機能

・素材

・機能性

 

1.遮光度

「遮光度」とは溶接の際に遮る光の度合いで、遮光度番号が大きいほど、遮る強さがより必要になります。

そして、溶接用メガネを選ぶ際は作業内容と遮光度が合っているかが非常に重要。

たとえばアーク溶接作業には高い遮光度のメガネが必要ですが、ガス溶接にはそこまで高い遮光度は必要ありません。

かといって高い遮光度のメガネをガス溶接作業で使用すると、かえって見えにくくなってしまうため適切なメガネを使用しましょう。

2.自動遮光機能

溶接用メガネを選ぶ際に便利な機能なのが「自動遮光機能」。

自動遮光機能とは、光の強さによって自動的に遮光度を変化させる機能が付いた溶接用メガネのことです。

溶接時に出る光の強さは作業内容によって異なるため、数種類のメガネを用意する必要があり手間とコストがかかります。

その点、自動遮光機能が付いている溶接用メガネを一つ購入すれば、作業中の光の強さによって自動で遮光度が変わるので非常に便利。

さまざまな溶接をおこなう人は持っておくといいでしょう。

3.素材

溶接用メガネを選ぶ際は「素材」にも注目してみましょう。

溶接用メガネのレンズはプラスチック素材でできているものがほとんどですが、おすすめなのは「ポリカーボネート」という特別なプラスチック。

ポリカーボネートの特徴は、衝撃と熱に強く燃えにくい点。そのため、高温でおこなう溶接の作業現場では適切といえます。

せっかく購入するなら、長持ちする素材のポリカーボネートを選んでみてはいかがでしょうか。

4.メガネと併用

普段メガネをかけている人は、溶接用メガネと併用できるのか気になるところではないでしょうか。

結論からいうと、メガネの上から装着できる「クリップ」タイプの溶接用メガネがあるので併用可能ですよ。

クリップタイプの溶接用メガネは帽子やヘルメットに取り付けて使用するので、メガネを付けていても問題なく装着できます。

ただし、重みでずれたり落下したりする危険性があるため、使用の際には注意が必要です。

 

まとめ

溶接用メガネを選ぶ際のポイントと必要性について紹介しました。

溶接用メガネの主なタイプは以下の3つ。

・ゴーグル

・サングラス

・クリップ

また、選ぶポイントは以下の4つを参考にしてください。

・遮光度

・自動遮光機能

・素材

・メガネと併用

溶接は、作業内容によって光の強度が変わります。

適切な遮光メガネを使用しなければ目や皮膚にさまざまな被害が出てしまい危険なので、溶接用メガネ選びは慎重におこないましょう。