ー溶接作業で目を焼くってどのような症状?対処方法も紹介しますー

溶接作業で「目を焼く」とよく聞くけどどのような症状なのだろう。

このような疑問を感じたことはありませんか?

溶接作業時に発生する光が、目に悪影響を与えることを目を焼くといいます。

目を焼くと、日常生活に支障が出るほか、最悪の場合失明の恐れがあるため非常に危険です。

この記事では、溶接作業で目を焼くと起きる症状から対策法まで紹介します。

 

溶接作業で目を焼くと起きる症状

溶接作業において、発生する光で目に悪影響を及ぼすことを「目を焼く」といいます。

溶接作業時に発生する光は通称「アーク光」と呼ばれ、目に見える可視光・目に見えない紫外線と赤外線からできています。

これらの光で目を焼くと、電気性眼炎や青光障害の原因となり、以下の症状を引き起こすため対策が必要です。

 

・目が痛い

・目がゴロゴロする

・勝手に涙が出る

・目の奥が痛い

・視力が低下する

・寝起きに目が開けにくい

・部屋やスマホの明かりがしみる

 

溶接光で目を焼くと痛みが強く、日常生活に支障が出る症状が現れるため、作業中に目の違和感がなくても対策はしっかりとしておく必要があります。

また、多くの光を浴びてしまったと感じたら、眼科で診てもらいましょう。

 

溶接作業で目を焼くのを防ぐ3つの方法

目を焼くと痛みが強く、辛いものです。

経験したくない痛みなので、できれば予防したいですよね。

溶接作業で目を焼くのを防ぐ方法を以下の3つ紹介します。

 

・保護めがね

・溶接遮光面の使用

・他の人が作業中に見ない

 

1.保護めがね

赤外線・紫外線・可視光は、目を焼く原因です。

保護めがねを着用することで、裸眼のときと比べて格段に目を守ってくれます。

また、溶接作業中に飛散物や粉塵が目に入るのを防ぐため、保護めがねの着用は効果的でしょう。

溶接作業中に保護めがねを使用する場合は、フィット感やずれにくさ・レンズの曇りにくさが重要なので、一度着用してからの購入がおすすめです。

溶接光から目を守るためには、横からも遮れるタイプを選ぶと良いでしょう。

 

2.溶接遮光面の使用

保護めがねと同様、溶接遮光面の着用は溶接光から目を保護してくれます。

溶接遮光面には、手持ちタイプとかぶるタイプに分かれます。

手持ちタイプは、着脱のしやすさがメリットの一方で、作業中も手で持つ必要があるので不便さを感じる場合があるでしょう。

かぶるタイプは両手が空くのが最大のメリットで、安全性と作業効率の両方を実現できます。

その中でも、自動遮光機能といって、作業中の光の強さを感知して自動的に明るさを変えてくれる画期的な機能があるタイプがおすすめです。

 

3.他の人が作業中に見ない

基本的なことですが、溶接作業中に目を焼くのを防ぐため、他の人が作業をしているときは光を見ないようにしましょう。

目を焼く原因は、溶接時に出る紫外線・赤外線・可視光です。

上記で述べたとおり、溶接作業中は保護めがねや溶接遮光面を使用して直接光を見ないことが重要です。

また、隣にいる人が溶接作業中は「もらい焼け」してしまう可能性があるので、必要に応じて「ついたて」があると予防できるでしょう。

 

溶接作業中に目が焼けたときの処置法

溶接作業中に気を付けて予防していても、目を焼くことがあるかもしれません。

そのときは、迅速な処置が必要になります。

ここからは、目が焼けたときの処置法を以下の3つ紹介します。

 

・目を冷やす

・目薬を差す

・眼科を受診する

 

目を冷やす

目を焼いたとき、まず始めに炎症を抑えるために冷やしましょう。

アーク光によって目が焼けるのはやけどと同等なので、冷やすことが一番の処置です。

また、目を冷やすことで痛みの緩和にもなるので、できるだけ迅速におこなうことが重要となります。

ガーゼやハンカチを水で濡らし、目の上にしばらく当てて様子をみましょう。

また、冷たいアイマスクがある場合は、活用してください。

 

目薬を差す

目が焼けたときの応急処置として、目薬を差すのも効果的です。

目が焼けるとゴロゴロして違和感があるので、目薬を差すと一時的にスッキリするでしょう。

まずは冷やして炎症を抑え、そのあと目薬を差すのがおすすめです。

市販の目薬の中で、炎症を抑える成分が配合されているものがあるので、常備しておくといいかもしれません。

目薬を差す方法はあくまで一時的な処置なので、症状が続くようなら必ず眼科へ行ってください。

 

眼科を受診する

上記で述べた応急処置をおこなって安静にしていても症状が緩和されない場合、眼科を受診しましょう。

溶接光によって目が焼けることは、最悪の場合失明する恐れがある非常事態です。

「まだ大丈夫」と思わず、早めに専門医に診てもらうことで的確な診断と治療が可能です。

眼科での治療をしっかりとおこなえば、ほとんどが数日間のうちに緩和するでしょう。

反対に、適切な治療をおこなわずに放置すると、症状が悪化してしまう可能性があります。

応急処置をしたあとは、眼科を受診してください。

 

溶接作業では皮膚も焼く可能性がある

溶接作業中は、目だけでなく皮膚も焼く可能性があります。

目を焼くのと同じで、紫外線・赤外線・可視光を浴びた皮膚は炎症し、さまざまな症状が出る恐れがあります。

日焼けに似た症状の赤み・かゆみ・水ぶくれも症状の一部。

溶接作業中は、アーク光や飛散物などから体を守るために防護服を着用しますが、手首は焼けやすく上記のような症状が出やすいため注意が必要。

防護服の隙間がないか、サイズが合っているかを定期的に確認する必要があります。

 

溶接光による皮膚への影響は以下があります。

・皮膚が老化する

・皮膚がんのリスクが高まる

・皮膚炎を引き起こす

 

溶接光には紫外線が含まれています。

紫外線を浴びると、肌の老化スピードが早まるだけでなく、しわやたるみの原因にもなります。

また、長時間紫外線を浴び続けると皮膚がんの発生リスクが高まる可能性も。

溶接作業時は、目のみならず皮膚も守りましょう。

まとめ

溶接作業で目を焼くとはどのような症状なのかを解説しました。

溶接時に出る光は、紫外線・赤外線・可視光で構成されていて、目に悪影響を与えるため、保護めがねなどで守りましょう。

目が焼けた場合の応急処置は、冷やして目薬を差してください。

そして、速やかに眼科を受診しましょう。

溶接光は目だけでなく皮膚にも悪影響を与えるため、防護服の着用を徹底し、安心安全に作業をおこなってください。