溶接工を希望する場合、未経験でも求人に応募することはできるのでしょうか。
結論から言えば未経験でも応募することはできますが、実際に溶接の仕事に従事するためには資格が必要です。
そこで、溶接工の仕事内容、必要な資格、未経験の方が溶接工を目指す方法をご紹介します。

溶接工の仕事内容

溶接工

溶接工とは溶接の技術に携わっている人のことです。
活躍の場は広く、自動車、アクセサリー、家具、遊具などさまざまなものに溶接が関わっています。

溶接工として活躍するためには現場でのスキル以外に国に定められた資格を取得することが必要です。

溶接の種類

溶接は2つの材料を加熱・加圧することで接合する加工技術です。
加熱、加圧の方法に加えて溶加材を使って接合する場合も溶接と呼びます。

溶接には融接、圧接、ろう接の3種類があります。

・融接
溶接の中で最も基本的なものです。
部材に熱を加えて溶かし、溶かした2つの部材を接合させ、冷やし固める方法です。
アーク溶接も融接のうちに入ります。

・圧接
プレス機などの機械で材料に圧力を加え、2つの材料を接合する手法が圧接です。
特に硬い金属をくっつけるときに用いられる方法です。

・ろう接
溶加材を用いて部材を溶かすことなく接合する方法です。
溶加材が蝋の場合は「ろう接」と呼びますが、半田の場合は「はんだ付け」と呼びます。

溶接が必要な分野

溶接が必要な分野は主に一般機械と建設現場の2つに分けられます。

・一般機械の製造工程
工場内で自動車や重電機の各部品の溶接を行います。
部品ごとに溶接を行うため、部材のサイズはそこまで大きくありません。
出来上がった部品は組立てられて出荷されます。

・建設現場
建設現場では機械製造とは異なり、比較的大きい建材の溶接を行うため、その分難易度が高くなります。
建設現場では圧接はほぼ行われず、融接とろう接を主に使って溶接を行います。

溶接工に必要な資格

溶接の仕事に携わる場合、溶接の種類によっては
労働安全衛生法などで定められた国家資格の取得が必須となります。

例えば、アーク溶接に携わる場合、「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の修了が義務付けられており
ガス溶接に携わる場合は「ガス溶接技能講習」を修了し「ガス溶接技能者」の取得が必要です。

資格が必要な業務に無資格の作業者を従事させると使用者は罰則が科されるため
必要な資格は必ず取得してから業務にあたらなければなりません。

アーク溶接作業者

アーク溶接作業者はアーク溶接の作業に従事するために必須の資格です。
アーク溶接では感電、災害、爆発などさまざまな災害が発生する危険性を伴うため
作業に従事するには特別教育の受講が義務付けられています。

「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受講し修了証を受領することで
「アーク溶接作業者」の資格を取得することが可能です。

学科11時間、実技10時間の合計21時間の講習を受講する事で取得が可能で
受講資格は特に設けられていませんのでどなたでも受講することができます。

ガス溶接技能者

ガス溶接技能者はガス溶接に従事するためには必須の資格です。
「ガス溶接技能講習」の講習を受講し、学科試験に合格することで
「ガス溶接技能者」の資格を取得することができます。

講習は学科8時間、実技5時間の合計13時間の講習と学科試験で
ガス溶接技能講習も受講資格は設けられていないのでどなたでも受講することができます。

未経験から溶接工になる方法

学校で専門知識を習得する

溶接の知識は学生なら工業高校、専門学校で学ぶことができます。
社会人なら職業訓練校の「溶接技術科」「溶接技術取得コース」です。

学校で専門的な知識や技術を習得していると就職でも有利となります。

資格を取得する

溶接の作業には資格が必須となります。
資格があれば即戦力として採用されやすくなります。

特にアーク溶接作業者とガス溶接技能者は基本となりますので
まずはこの2つ、もしくは1つを取得するのがおすすめです。

就職先で学ぶ

未経験で資格も持っていなくても、会社側で教育し
資格も取得できるようサポートしてくれる場合もあります。

最初は業務の手伝いをしながら資格を取得し、資格取得後もできることを少しずつ増やしていって
溶接工として活躍することができます。

働きながら、現場で先輩に教えてもらいながら技術を取得できるので
未経験、資格なしでも可の求人があればキャリアを広げるチャンスとなります。

溶接工の求人の見つけ方

溶接の求人の見つけ方はいくつかあります。
探し方や探す媒体の幅を広げることで良い企業を見つける可能性が高くなりますので
いくつかの媒体をチェックした方が条件に近い企業を見つけやすくなります。

求人サイト

転職情報に特化した求人サイトは多数あります。
大手求人サイトだけでなく中規模のサイトまで視野を広げて情報を集めると
中小企業の優良企業を見つけやすくなります。
また、サイトは応募企業に関する相談等サポート体制が整っている媒体を利用すると安心です。

地域の求人情報誌・求人広告

地域の求人情報誌や求人広告では地元の求人情報に特化していますので
通勤に便利な求人先が見つかる可能性があります。
掲載料がリーズナブルなため、小規模の企業も掲載しやすく
少人数の会社で働きたいという方にもおすすめです。

ハローワーク

ハローワークは職員のサポートを受けながら転職活動を進めることができ
なるべく早く就職先を見つけたいという方におすすめです。
注意点は同じ企業が何回も同じ職種を掲載していることも少なくなく
その場合は離職率の高い条件の良くない職場である可能性も否定できません。

転職フェア

転職フェアは転職サービス会社や商工会議所が主催しています。
さまざまな企業が集まっており、直接企業の採用担当者と話しをすることができますので
会社の雰囲気を感じることができるのもメリットです。

転職エージェント

転職エージェントに登録して担当者に転職先を紹介してもらうことができます。
担当者が企業に売り込んでくれますので、就職もスムーズに進みます。

ただ、転職エージェントによっては条件によって登録させてくれないこともありますので注意が必要です。

未経験の方でも溶接工になることができる

溶接工は未経験の方でも会社に就職することができます。
ただし、溶接の業務に携わるには資格が必須となります。

資格はどなたでも取得することが可能ですので
あらかじめ資格を取得してから企業に応募する方法もありますし
未経験、資格なしでもOKの会社であれば入社後に働きながら資格取得を目指すことも可能です。

資格がない場合、応募の際に採用担当者に質問し、応募可能かどうか確認してみると良いでしょう。